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人間の思考は「うそ」をつく



 人間の思考は、その時の感情や状況に合わせて「うそ」をつくことがよくあります。中でも「うつ病」の人は、ネガティブな「うそ」、すなわち、事態を実際より悪く思わせる「うそ」をついてしまいます。

 ここでは、その「うそ」のいくつかを紹介しましょう。

「うそ」タイプその1 「いつも/絶対」型

 この「うそ」は、過去に起こったことがこれから「いつも」繰り返すだろうと思う時や、求めているものは「絶対」手に入らないだろうと考えたときに生じます。

「いつも、絶対、だれも、みんな、いつでも、何もかも」などの絶対的な表現は、たいてい誤りです。また、こういった思考は強いネガティブ性質があるため、悲しくなり、混乱してしまうのです。これは深部大脳辺縁系を活性化させます。
「いつも/絶対」思考の例をいくつか挙げましょう。

「あいつはいつも私をばかにしている」
「誰も私に電話なんてかけてこない」
「私は昇進なんて絶対無理だ」
「みんな私を利用している」
「子供達は私のいうことを絶対きかない」


 こういう絶対的な考え方をしている自分に気が付いたら、それをやめて、絶対的な態度が誤りであることを示す例を思い出すようにしましょう。

「うそ」タイプその2 「ネガティブ面集中」型

 この「うそ」が生じるのは、ある状況の悪い面だけを思いつめ、いい面を見ようとしないときです。

 例えば、自分のプレゼンテーションの評価をしてもらい、10人中8人が「すばらしい」という評価に対し、残りの2人は「ひどいプレゼンだった」と評価したときに、ひどい評価だけ重視してしまうような、例えすばらしい評価がいくつあっても、悪い面ばかりに集中してしまうことです。

 置かれた状況のネガティブな面ばかりに焦点を当てると、いやな気分になります。「嬉しいこと見つけ」をする。ー ポジティブな面を見つける ーことで、気分はよくなるでしょう。バラ色の色眼鏡をかけて世の中を見なさい、といっているのではありません。ただ、世の中のネガティブな面ばかりを見るのではなく、ポジティブな面を見つけ、バランスと楽観主義を養っていきましょう。

「うそ」タイプその3 「未来予測」型
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 ある状況について、考え付く最悪の結果を予測する場合をいいます。また、この「うそ」の危険性は悪いことを予測すると、それが現実になってしまう恐れがあります。それに、確実な未来の予測は誰にもできません。本当に未来を予測できるのなら今頃億万長者になっているはずです。

「うそ」タイプその4 「読心術」型

 人が考えていることが、言わなくても分かると思っている場合です。この「うそ」は人間関係において、様々なトラブルの原因となります。

 人が何を考えているかなんて、教えてもらわない限り不可能です。たとえ、どんなに親しい仲であっても絶対無理です。あなたに理解できない事柄があって、それを知りたければ、相手に聞いて下さい。

 「読心術」型の「うそ」は感染力が強いので、やめたほうが身のためです。



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