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うつを客観的に見ると?











 うつ病というのは、いわゆる精神病といわれ、心のケアとかカウンセリングが必要とされています。でもなんかピンとこないですよね?精神て言葉が付くと、何か実体のない物。例えば霊魂とか、幽霊とか、イメージでいえば「ふわふわ」した感じがしませんか?

 ご存じの方もいると思いますが、うつ病とは、人間の脳の中で発病して体全体に広がっていくものです。もっと説明すると、脳の血流(活動)の問題なんです。そして人間はトレーニング次第で脳の血流(活動)をある程度はコントロールできるとされています。もちろん余りにも重傷の場合は専門医や薬による治療が必要になりますが、ある程度は自分で治療する事ができるのです。

 まずは、その「うつ」とはどうやって起こるのか見ていきましょう。

うつ病容疑者 深部大脳辺縁系

 「うつ」は脳の中の深部大脳辺縁系が関係していると、最近の研究で分りました。
 この深部大脳辺縁系に注目して、「うつ」になるまでのいきさつと原因を見ていきましょう!

 深部大脳辺縁系は脳の中心部付近にあり、くるみ大の大きさしかありません。ですが、人間の行動と生存に欠くことのできない機能がたくさん詰まっています。主な機能として、

◇感情の調子を定める
◇外界の出来事を内面のフィルターにかける(感情の色付け)
◇内面的に重要な出来事に印を付ける
◇感情と連動した記憶を保存する
◇動機付けの調整
◇食欲と睡眠のサイクルを調整する
◇人との結びつきを促進する
◇匂いを直接処理する
◇性欲を調整する

などがあります。

ここを読んだだけでも、何となくこいつに原因がありそうだなと思えませんか?


深部大脳辺縁系は他人との絆を作る

 深部大脳辺縁系の機構は、人との結びつきや、社会的連結性と密接に関わっています。深部大脳辺縁系に損傷を受けた動物は、自分の子供と正しく触れあうことができません。ある実験で、深部大脳辺縁系に損傷があるラットの母親は、子供に哺乳させようとせず、無生物であるかのように飼育箱の中を引きずり回したそうです。
 
 深部大脳辺縁系は、自分以外の人と社会的に結びつくことを可能にする「結合性メカニズム」に影響をおよぼし、逆に、人とうまく結びつけるかどうかがが気分を左右してもいるのです。

 また、人がだれかと性的な関係を持てば、辺縁系の感情的結びつきを促進する神経化学的変化が、双方の脳に必ずおきるそうです。とはいえ、その場限りのセックスが、ほとんどの人にとって精神と肉体の調和というレベルでうまくいかないのは、辺縁系の結びつきが原因なのです。ふたりの人間が「ほんの遊びで」セックスをしようと決めていても、決心と関係のないレベルで何かが起こっています。望もうと望むまいと、セックスはふたりの感情的結びつきを高めているのです。

 女性に多いのですが、その場限りの情事が終わったとき、必ずといっていいほど愛着を感じ、後で傷付いてしまいます。深く傷付くのは一般的に女性のほうですが、その理由の一つは、女性のほうが辺縁系が大きいからなのです。

参考書籍紹介
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