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深部大脳変縁系に問題が生じると「うつ」になりやすい



 深部大脳辺縁系に問題が生じるとどうなるのでしょう?

◇不機嫌、いらいら、病的なうつ
◇ネガティブ思考の増加
◇物事をネガティブに認識する
◇動機付けや意欲の低下
◇ネガティブ感情があふれる
◇食欲と睡眠の障害
◇性欲の低下または増進
◇社会的孤立

 深部大脳辺縁系における問題は、一般的にその機能と対応しています。どんな状況も「暗い見方」でしか見られない「悲観主義」は実際、深部大脳辺縁系の問題である可能性があります。というのも、脳のこの部分が活発に機能しすぎると、感情のフィルターはネガティブな色合いにセットされるからです。

 深部大脳辺縁系の異常によって生じる問題で、その部位自体が原因となっているものには三つあります。結びつきの分裂、気分障害、そしてPMAです。

 中でも「結びつきの分裂」が「うつ」の原因なのではないかと注目されています。

「結びつきの分裂」で何が起こるか?

 「結びつき」と辺縁系の問題は、しばしば一緒に起こることから、深部大脳辺縁系の問題は、人間の結びつきのプロセスを乱すような外界の出来事が原因で起こっているといえます。
 
愛する人が死んだとき
 親や配偶者、子供の死は、強い悲しみと嘆きを引き起こします。こうした家族間の関係においては、しばしば神経化学的な固い絆が見られます。それが壊れると深部大脳辺縁系の活動が乱れます。

結婚生活が破綻したとき
 人間が経験するストレスの中でも、最も激しいストレスの原因となる可能性があるのが離婚です。結婚生活のように、「辺縁系的につながっていた」人々は非常に強い絆を持っているからです。脳の中心にあるその結びつきが壊れると、「この人なしでは自分が完全ではない」というような気持ちを起こさせる激しい断裂が生じます。

子供が親の手を離れたとき
 子供達が家を離れると、親はひどく寂しくて何かを奪われたように感じる事がよくあります。多くの場合、食欲がなくなって睡眠障害もあらわれます。何かが失われているのです。思春期にあれほどの成長の苦しみを味わわされ、子供たちが家をでて自活を始めてくれる日がきたら、どんなに安心かと思っていたのですから、これは解せないことかもしれません。

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うつ病はどのようにして起こるか

 「結びつき」と「うつ病」は関係していることがよくあります。往々にして、人は落ち込むと取り残されたような気になり、結果的に自分自身を更に孤立させてしまいます。つまり、人は孤立すればするほど、結びつこうとする活動が起こらなくなるのです。

 うつ病は、特定の神経化学物質、中でもノルエピネフリンセロトニンの不足によって起こるといわれます。これらの物質の不足が深部大脳辺縁系における新陳代謝を高めたり、炎症を起こしたりして、さらにうつ病と関連性のある多くの障害の原因となるのです。


>>嘘をつく思考?