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深部大脳辺縁系のための処方箋その6







 栄養に気を付けよう!

 これまで私達は、低脂肪で高炭水化物の食事を取りましょう。と栄養学者や報道関係者から耳にタコができるぐらい聞いてきました。しかし、逆に、コレステロールが低い人は自殺率が高いという研究結果が出ています。人の深部大脳辺縁系が正しく機能するためには脂肪が必要です。魚類に多く含まれるオメガ3脂肪酸のように、脂肪酸の中にも人間の体にいいものがあります。

 ドーパミンやセロトニン、ノルエピネフリンの低下は、うつ病や気分障害に関わっています。それらの神経伝達物質を増やすにはタンパク質の食品(肉類、卵、チーズ)を取り、パンやパスタ、ケーキ、キャンディのような単純炭水化物を避けたほうがいいでしょう。しかし、タンパク質の取り過ぎは実際、脳に入り込む「脳タンパク質」を抑制することがありますので、脂肪や炭水化物とバランスの取れた量のタンパク質を摂取することが必要です。

深部大脳辺縁系のための処方箋その7

 体を動かそう!

 人は運動をすると、幸福感を生み出すエンドルフィンを放出させます。深部大脳辺縁系には、エンドルフィン受容体がたくさん存在し、運動することによって脳内血流が盛んになり、脳が正しく機能するように栄養が行き渡ります。

 優れた運動プログラムは辺縁系にとっていい結果をもたらします。

1、運動によって活力が与えられ、無気力を感じないでいられる。
2、運動は新陳代謝を高め、食欲を抑えるので、結果的に体重が増えない。
3、運動は脳内で作られるメラトニンの量を正常化し、睡眠周期を向上させる。
4、運動は脳に入り込む天然アミノ酸トリプトファンを増やし、気分を高める。
(トリプトファンは神経伝達物質セロトニンの前駆体で、うつ病患者の多くに低下が見られる物質。)

深部大脳辺縁系のための処方箋その8
参考書籍紹介
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 辺縁系の薬物治療を考えよう。
 
 うつ病や躁うつ性障害、PMS(月経前症候群)には、多くの人がいわゆる「嫌な気分」として味わうもの以上に治りにくい種類の症状があります。これまでに紹介してきた処方箋には、症状の重い人が幸せで充実した毎日を送れるようになるほどの効果は無いかもしれません。完全な治療を目指すには、抗うつ薬による薬物治療や、適切な薬草治療を追加する必要があるでしょう。
 
 近年、これまでの抗うつ薬に比べて適用の幅が広く、しばしば副作用も少ない新薬が市場に出回るようになってきました。うつ病を治療するには、適切な量を十分に長い期間にわたって使用することが重要です。抗うつ薬は、効果があらわれるまでに2〜4週間かかるそうです。これについては主治医にきちんと相談するようにして下さい。



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