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深部大脳辺縁系のための処方箋その4







 肉体的接触の重要性を認識しよう

 深部大脳辺縁系は感情面の結びつきと、肉体面の結びつきに深く関係しています。健康を保つためには、肉体的な接触が必要不可欠です。
 
 肉体的な接触は、親子の絆を深めるためにも必要不可欠です。赤ちゃんは両親から抱き締めてもらったり、優しい言葉をかけてもらったり、目と目を合わせてもらうことで、深部大脳辺縁系の発達に必要な、喜び、愛情、信頼、安心感などを受け取ります。両親と赤ちゃんの結びつきは、こうしてはじめて成長することができます。愛情が無いと赤ちゃんは、深部大脳辺縁系の結びつきを発達させることはありません。そして、人を信じることや、結びつくことも困難になります。

 大人同士の愛情もこれと似ています。良い結びつきが起こるためには、二人が抱き合ったり、キスしたり、優しい言葉を口にしたり、愛を込めて見つめあったりすることが必要です。どちらかが一方的に与え、もう一人が受け取る一方ではうまくいきません。肉体による愛情表現はお返しを必要とします。そうしなければ、相手は傷付き、拒絶されたと思うので、最終的には結びつきを損なわせてしまうからです。

 ある雑誌の巻頭に、触れ合いに関する特集が掲載されました。そこには触れ合いに備わった癒しの力を示しています。その内容の一部を紹介します。
「マッサージには喘息患者の呼吸を楽にし、HIV陽性患者の免疫力を高め、自閉症児の集中力を改善し、うつ病にかかった成人の不安を鎮め、火傷を負った患者が壊死部分の切除手術について抱く不安を減らす、といった効果があるらしい........高齢者についても、うつ症状を和らげ、ストレスホルモンを減らし、孤独感を緩和する効果があった。」

 触れ合いは人間にとってなければならないものです。子供や配偶者や恋人の体に常日頃からもっと触れましょう。定期的にマッサージをしたりされたりすることによって辺縁系は健康に保たれ、辺縁系的な結びつきも高まるはずです。


深部大脳辺縁系のための処方箋その5
参考書籍紹介
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 周囲をいい匂いで満たそう!

 深部大脳辺縁系は、嗅覚から刺激が直行する脳の部位です。皆さんもアロマテラピーについては、少なからず聞いたことがあると思いますが、その代表的なもので「ラベンダー・オイル」があります。ラベンダー・オイルの香りは、睡眠促進効果や、ストレス、うつ症状といった症状を軽くする効果があるそうです。

 ある特定の匂いが、強烈で鮮明な記憶をよみがえらせることを知っている人も多いでしょう。まるで、当時の出来事の雰囲気や感覚が、そのまま戻ってくるような気になります。その理由は、匂いと記憶は脳の同じ場所で処理されるからなのです。匂いは、深部大脳辺縁系の神経回路を活発にし、その当時の出来事をより完全に思い出させます。

 匂いは気分にも影響を与えます。よい匂いは深部大脳辺縁系を沈静化させ、快い匂いは抗炎症薬的(深部大脳辺縁系の)な働きをします。花のよい匂いや、快い香りで周囲を満たすと、脳を強くポジティブに機能させることができます。



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